円盤投の日本記録保持者として注目を集める湯上剛輝(ゆがみ まさてる)選手。
先天性の聴覚障害を持って生まれながらも、「聞こえないことは自分にとって武器」と語り、静かな集中力と情熱で記録を塗り替えてきました。
この記事では、湯上選手のプロフィールや学歴、そして競技人生の歩みをまとめました。
プロフィール

引用元:日本陸上競技連盟公式
項目 | 内容 |
---|---|
生年月日 | 1993年4月14日(32歳) |
出身地 | 滋賀県甲賀市 |
所属 | トヨタ自動車 |
出身校 | 守山高校 → 中京大学 |
身長・体重 | 183cm・107kg |
専門種目 | 円盤投 |
自己ベスト | 64m48(2025年4月/オクラホマ・スロー・チャレンジ) |
鍛え抜かれた筋肉美には、誰にも見えない努力と、誰にも奪えない誇りがあるのでしょうね。
とてもカッコいいです!
経歴と障害
円盤投は、聴覚障害のある選手がパラリンピックに出場することができない競技です。
しかし、聴覚に障がいのあるアスリートたちが力を発揮できる舞台として、デフリンピックという国際的な総合スポーツ大会が存在します。
湯上剛輝選手は、今年初めて世界陸上への出場が決定し、さらに東京で開催されるデフリンピックへの出場も目指しているとのことです。
障害と家族
詳しい家族構成(ご両親や兄弟姉妹など)については公にはされていません。
生まれてすぐに先天性の難聴と診断され、小学6年生のときに人工内耳の埋め込み手術を受けました。
この手術によって、音のある世界に一歩踏み出すことになります。
ご家族はその障害を受け入れ、支え続けてきた存在であり、本人も「家族の理解と応援があったからこそ、ここまで来られた」と語っています。
聴覚に障がいがあることで、競技中は人工内耳を外して“無音の世界”に入ることが多く。
逆に「集中力を高める武器になっている」と語っています。
強さの秘密
音がないことは自分にとって“普通”であり、特別なことではない。と語っていています。
聴覚障害を“個性のひとつ”として受け入れながら、一般の環境で自分らしく生きてきたことがうかがえます。
「何も聞こえないということは無音の世界なので、それがすごくプラスだと自分では思っていて、他の選手にはない武器だと捉えていて、マイナスに思ったことはあまりないですね」
引用元:東海テレビ
障がいがあるから特別な環境が必要という枠にとらわれず、自分の感覚や工夫を活かして、周囲と自然に関わってきた方だと感じられます。
自分が活躍することによって、何かしら体にハンデを持っている方々に『湯上という選手がこんなに頑張っているから自分も頑張ってみよう』と、そういう風に思ってくれたら僕はうれしいと思って
引用元:東海テレビ
湯上選手の言葉、すごく心に響きました。
「自分が頑張ることで、誰かの背中を押せるなら嬉しい」って、そんなふうに思える人って本当に素敵だと思います。
聴覚にハンデがある中で、円盤投げという激しい競技に挑み続けてる姿は、ただの努力じゃなくて“希望”そのもの。
湯上選手が記録を目指して投げる円盤は、きっと誰かの心にも届いてるんだろうなって思いました。

出典:トヨタイムズ
学歴と日本記録保持
小学校は貴生川小学校卒業しています。
聴覚に障がいがある方専用の学校ではなく、一般の学校に通っていました。
中学校
出身中学校は滋賀県甲賀市立水口中学です。
医師からは野球やサッカーといった“接触スポーツ”を止められていました。
中学時代は「足が速くなりたい」という純粋な気持ちから陸上競技を始めたそうですよ。
3年生のときにはリレーメンバーとして全国大会にも出場しています。

リレーで全国大会?すごくないですか?
しかも、きっかけは「足が速くなりたい」っていう、ほんの小さな願いだったんですよね。
その一歩が、仲間とバトンをつなぎながら全国の舞台へと続いていたなんて…まるで映画のワンシーンみたいです。
湯上選手の原点には、純粋な気持ちと、地道な努力がしっかり根を張っていたんだなぁって思います。
高校
守山高等学校へ進学しています。
高校時代に陸上競技の投てき種目に出会い、円盤投に取り組み始めます。
高校入学当初は、インターハイは「遠い世界」だと思っていたそうです。
1年生の春の大会後に興味を持っていた円盤投に挑戦すると、記録がぐんぐん伸びていき、そこから一気にのめり込んでいきました。
「(最初は)砲丸投げを始めたんですけど、どうもセンスがなかったみたいで、そんな中で円盤を見つけて投げてみたら、ものすごくきれいに飛んで、円盤の軌道というか飛び方というか、そういうものが当時の自分にはものすごくきれいに見えて…」
引用元:東海テレビ
守山高校には投てき専門の指導者がいなかったとか。
月1回ほどの練習会で他校の先生から指導を受けたり、専門誌を読み漁って自分で練習メニューを組み立てるなど、試行錯誤を重ねていたそうです。

高校時代の全国大会成績
学年 | 大会名 | 結果・記録 | 備考 |
---|---|---|---|
高2 | 県大会 | 砲丸投・円盤投ともに優勝(2冠) | 近畿大会へ進出 |
高2 | 近畿大会 | 実力を発揮できず敗退 | インターハイ出場ならず |
高3 | インターハイ | 予選:47m41(トップ通過) 決勝:45m85(6位) | 緊張から力み、記録伸びず |
高3 | 国体(秋) | 少年男子A 円盤投:3位入賞 | 高校時代の全国大会での最高順位 |
専門の指導者がいない中で、あの成績って本当にすごいですよね。
湯上選手の努力と工夫が、どれだけ積み重ねられてきたのか…想像するだけで胸が熱くなります。
そんな姿を見ていると、「環境が整っていないからできない」なんて言い訳していた自分に、ちょっとハッとさせられました。
できるかどうかじゃなくて、やるかどうか。
湯上選手の挑戦は、そんな大切なことを教えてくれている気がします。
大学
大学時代には、元オリンピック選手である室伏重信氏から直接指導を受ける機会がありました。
「でんでん太鼓のように、体の軸をしっかり保ち、手には力を入れない」など、ユニークで本質的なアドバイスが印象的だったそうです。
湯上選手は「今でもその教えを意識して練習している」と語っています
中京大学時代の主な成績一覧
年度 | 大会名 | 種目 | 成績・記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2016 | 日本学生陸上競技対校選手権 | 砲丸投 | 14m86 | 大学時代の自己ベスト |
2017 | サムスン・デフリンピック | 円盤投 | 銀メダル(55m58) | 聴覚障害者の国際大会 |
2018 | 日本選手権(第102回) | 円盤投 | 優勝(62m16) | 日本記録を3度更新した圧巻のシリーズ |
2018 | アジア競技大会(ジャカルタ) | 円盤投 | 6位(57m62) | 初の国際大会代表入り |
大学時代の大会では、何度もあと一歩で優勝を逃す経験を重ねました。
2018年に日本新記録(62m16)で初優勝を果たします。
「6度目の正直」でした。
この記録は、聴覚障害者の世界記録でもあり、本人にとっても大きな転機となりました。
大学での悔しさがあったからこそ、今の自分がある。
夢だった世界陸上やオリンピックが、目標に変わった瞬間でしたと語っていました。
えっ、6回目の挑戦でやっと優勝…?
そんなに何度も悔しい思いをして、それでも諦めずに挑み続けたなんて、本当にすごいです。
しかもその優勝が、日本新記録で、聴覚障害者の世界記録でもあるなんて…もう、ドラマですよね。
「夢が目標に変わった瞬間」っていう言葉も、すごく心に残りました。
夢って、ただ憧れてるだけじゃなくて、努力で手が届くものなんだって、湯上選手が教えてくれた気がします。
大学時代の悔しさがあったからこそ、今の自分があるって…その言葉に、私もなんだか背筋が伸びました。
私も、何かうまくいかないことがあったとき、「湯上選手も何度も悔しい思いをしてたんだ」って思い出して、もうちょっと頑張ってみようかなって思えそうです。
まとめ
・甲賀市立貴生川小学校を卒業
小学6年生で人工内耳の手術を受け、音のない世界と向き合いながら日常を過ごす力を育みました。
・甲賀市立水口中学校を卒業
「足が速くなりたい」という思いから陸上を始め、リレーで全国大会に出場。仲間と走る喜びを知ります。
・滋賀県立守山高等学校を卒業
円盤投げと出会い、インターハイ6位・国体3位と全国レベルの実力を築きました。
・中京大学を卒業
元オリンピック選手・室伏重信さんの指導のもと、技術と精神力を磨き、日本新記録・世界聴覚障害者記録を樹立するまでに成長しました。
・トヨタ自動車に所属
聴覚障害という“ハンデ”を“集中力”という武器に変え、無音の世界で誰よりも遠くへ円盤を飛ばします。
世界陸上では東京の空に向かって、湯川選手の円盤がどこまでも飛んでいくことを願っています。
応援しています!
最後まで読んでいただきありがとうございました。yuzuhana
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