6月22日「情熱大陸」出演されます。
芥川賞を受賞してから22年、現在も執筆をつづけています。
文学一家で育った金原ひとみさんの壮絶な生い立ち。
デビュー作の秘話、現在のひとみさんを深堀しました。
一緒に見ていきましょう!
壮絶な生い立ち

引用元:集英社文学ステーション
金原ひとみさんは1983年、東京都生まれ。
幼稚園の頃から“集団生活”に違和感を抱えていて、なんと「隙あらば休む子ども」だったそうです。
小学校4年の頃には学校に行かなくなり、中学校に通ったのはたったの4日間。
高校にも進学したものの、約半年で中退。
子ども時代に「子どもが嫌いだった」と語る彼女。
そんな感覚、なんだかよくわかる気がします。
周囲と自分が“ズレている”っていうあの感覚。
子ども同士の無邪気さがかえって自分を追い詰めるって、けっこうしんどいんですよね。
さらに家庭内でも、母親との関係に悩まされていたそうです。
学校に行かないことを「世界の終わり」のように悲観する母に、無理やり登校させられることもあったとか。
学校にも家にも、自分の心が安心できる“居場所”がなかった――。
そんな状況のなか、小学生の頃には非常階段から飛び降りようかと考えた時期もあり、中学時代はリストカット、20代は摂食障害を繰り返すことに。
こうした話は衝撃的だけど、心の痛みを「身体の痛み」に変えてしのいでいた…という彼女の説明に、リアルな実感が込められていて胸が締めつけられます。
“痛み”だけが唯一、自分の生を確認できるものだったのかもしれません。
祖父と父も文学の一筋
金原さんの実父は、著名な翻訳家であり法政大学教授でもある金原瑞人さん。

海外文学の翻訳に数多く携わっていて、書籍の「あとがき」で彼の名前を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
また、母方の祖父は千葉県大多喜町の歌人。
祖父の短歌は、なんと国語の教科書にも掲載されたことがあるというから驚きです。
「文学が血の中に流れている」という表現がぴったりですね。
ただ、そんな家庭環境にいたからこそ、反発心や息苦しさも強かったんじゃないかと想像します。
書くことが“逃げ道”でもあり“戦う手段”でもあったのかもしれません。
デビュー作秘話

引用元:集英社
ピアスの拡張をやっていて、「やりたいな、やろうかな」と。でも、さすがに自分でやるのはちょっとなと思い、「じゃあ、小説の主人公にやらせてみよう」と書いたのが、デビュー作となり芥川賞を受賞した「蛇にピアス」です。
小説の主人公である19歳の少女は、当時の自分とほぼ同じ年齢。「生きている実感」を得ようと、痛みを伴うピアスやタトゥーを彫る「身体改造」にのめり込む様子を描きました。 引用元:読売新聞
このエピソード、めちゃくちゃリアルで面白くないですか?
普通だったら、「さすがに無理かな」と思った時点で終わる話。
でも金原さんは、それを“書くこと”に変換してしまう。
しかも、そこから芥川賞までつながってしまうというのが、本当に彼女らしいですよね。
小説の中で、19歳の少女が“痛み”を通して「生きている実感」を求めていく姿は、当時の金原さん自身の感覚に限りなく近かったんだと思います。
リストカットや不登校など、自己破壊のような思春期を経て、
それをそのまま書くのではなく“身体改造”というフィクションに落とし込んで描ききる。
この距離感のとり方が、文学としての強さを生んでいるんですよね。
読者としては、「ちょっと怖い…でも目が離せない」という感覚でページをめくってしまったのをよく覚えています。
「書く」ということが、彼女にとって単なる表現ではなく、自分自身と向き合う“手段”だったことが、こんな何気ないエピソードからも伝わってきて、改めて胸が熱くなります。
結婚・出産・離婚、そして“母”
20代で結婚し、2人の娘さんを出産しかし夫との関係は長くは続かず、昨年離婚。
今はシングルマザーとして2人の子どもを育てながら執筆活動を続けています。
SNSなどでも子育てについて言及されることがあります。
文学的な硬さとはまた違う、“生活者”としての一面が垣間見えるのがとても魅力的。
不器用だけど誠実で、ブレずに書き続けている印象があります。
子どもの存在が自身の人生や創作にどう影響しているのか――。
このあたりは、22日の『情熱大陸』で語られるかもしれませんね。
放送が楽しみです。
まとめ
幼少期から集団生活や子ども同士の付き合いが苦手で不登校。
母との関係も悪く、登校を強要されることも。
中学生でリストカット、20代で摂食障害。
心の痛みを身体の痛みに変える“対症療法”だったと過去を振り返っています。
父は翻訳家・法政大学教授の金原瑞人氏。
母方の祖父母は千葉県の歌人で、祖父の作品は国語教科書にも掲載されるほど。
生まれながらの“文学一家”に育ちました。
20代で結婚し2人の娘を出産、のちに離婚
現在はシングルマザーとして子育てしながら執筆を続けています。
『ミーツ・ザ・ワールド』『アンソーシャル ディスタンス』など時代性ある作品も執筆しています。
自身の過去や痛みが、今なお作品の芯になっている印象な作家でした。
「書くこと」と共に生きるスタンスを変わらず貫いている作家でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました yuzuhana
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