舞台出身の実力派・河内大和が演じた“無表情の男”に、なぜ観客は心を奪われたのか?
映画『8番出口』で注目を集める“歩く男”。
CGと見間違う演技、なぜここまで人を惹きつけるのか?
無機質なのに目が離せない。
強烈な存在感を放つ演技の秘密を探ります。
プロフィール

引用元:フロムファーストプロダクション
河内大和さんのプロフィールと映画8番出口を簡単に紹介します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 河内 大和(こうち やまと) |
| 生年月日 | 1978年12月3日(46歳) |
| 出身地 | 山口県岩国市 |
| 学歴 | 新潟大学工学部建設学科(中退) |
| 俳優活動開始 | 2000年『リチャード三世』ケイツビー役で舞台デビュー |
| 主な出演作 | 映画『8番出口』、ドラマ『VIVANT』、舞台『マクベス』『ハムレット』など |
映画『8番出口』一口紹介
都市の地下通路で繰り返される奇妙な現象を脱出するため、主人公が“異常”を見極めながら進むサスペンス・ホラー。人気ゲームを原作に、現実と非現実の境界を描く話題作。
河内大和さんの役どころ(“歩く男”)
無表情で地下通路を一定のリズムで歩き続ける謎の存在。
“異常”の象徴として登場し、観客に強烈な不気味さと緊張感を与えるキーパーソン。
“CGのよう”と称された理由
一定のリズムで歩き続ける“歩く男”の動き
歩くという単純な動作が、ここまで緊張感を生むのか…
プログラムされたCGのように正確で、機械的。足音の間隔、腕の振り方、視線の固定…
すべてが「人間らしさ」を排除したような不気味さを漂わせています。
無表情なのに、存在感がすごい!
逆に感情を感じてしまうから不思議です。
機械的な存在感が生む不気味の谷
心理学やロボット工学で語られる現象で、人間に近づきすぎた人工物が、かえって強い違和感や恐怖を与えるというもの。
人形やCGキャラが「ほぼ人間」に見えるとき、私たちは「何かがおかしい」と感じてしまうのです。
リアルすぎて怖い感覚
人間らしさが感じられないのに、確かに“そこにいる”としか言いようのない存在感。
感情が見えないからこそ、何を考えているのか分からず、じわじわと不安が募る。
その動きはあまりにも正確で、むしろ“異常”に思えるほど機械的。
何もしていないのに、なぜか怖い。
ゾッとします…

引用元:ウィキペディア
無表情・無機質なのに伝わる“感情”
視線、姿勢、間の取り方で生まれる緊張感
視線が動かないことが、逆に“動き”としての緊張を生むのです。
背筋を伸ばし、腕を振る角度も一定。
人間らしい“揺れ”や“癖”が一切排除された姿勢振り返らない沈黙、まるで機械のよう。
何も起こらない時間こそが、最も怖い時間になっています。
演技は足すより削る哲学
演技において「何かを足して目立たせる」のではなく、余計なものを削ぎ落とすことで“本質”を浮かび上がらせることを重視しています。
無表情だからこそ想像する余白
無表情”とは、感情がないのではなく、感情を押し付けないという選択。
観客が「この人は何を考えているのだろう?」と感じる余白こそが、物語への没入を促します。
河内さんの演技は、静けさの中にある“語らない力”を最大限に活かしているのです。
舞台で培った身体表現力
舞台俳優としての基礎力
舞台では、観客との距離があるため、身体全体で感情や状況を伝える力が求められます。
河内さんはその経験を通じて、動きの間合いや重心の使い方、視線のコントロールなどを徹底的に磨いてきました。
舞台出身俳優ならではの強み
舞台では、セリフのない時間や沈黙の“間”が、物語の深みを生む重要な要素。
河内さんは“間”を読む力に長けています。
映像の中でも何もしていない時間に観客の呼吸を止めるような緊張感を生み出しています。
まとめ
内大和さんが演じた“歩く男”は、無表情で無機質な動きにもかかわらず、強烈な存在感を放っていました。
その演技の裏には、舞台で培った身体表現と「足すより削る」という哲学が息づいていました。
舞台俳優出身だからこそ、空気を読む力や“間”を生かす技術が、映像の中でも際立っていました。
静けさの中にこそ、深い表現があることを教えてくれる演技でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。 yuzuhana


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